「山小屋アルバイトのハウツー」をまとめてみました。山小屋選び&生活の参考にしてください。
第11回 山小屋への携行品3(遊び道具編)
今日の写真は、2009年に、黒部五郎小舎にいたときに、黒部川本流で釣った岩魚の写真です。小屋から、黒部川本流までは、特に危ないところもなく、ゴロー沢を下っていって、約一時間程度。ゴロー沢は数年前に鉄砲水があったとかで、流木が多くちょっと荒れた感じでしたけど、本流にぶつかる、ちょっと手前から魚影もちらほら見られました。
黒部源流部での釣りというと、薬師沢小屋へ泊まって、目の前を流れる本流か、薬師沢でっていうのが、一般的です。フライロッドをザックの脇にさして登って来る釣り人の数はそれほどは多くはないですが、魚はすこしスレ気味ですかね。まあ、それでも、大物がばしばし釣れてしまうのが、黒部源流のすごいところなのですが。
それに比べると、黒部五郎小舎近辺の黒部川源流部や、高天原山荘の近くを流れる岩苔小谷は、釣り人もまずこないですし、川を独り占めできます。魚影も濃いし、魚もスレていません。天気のいい日に、川の音につつまれながら、清流で過ごす一日は、まさに「日本の夏休み!」という感じで至福の時間です。黒部源流でイワナ釣りっていうと、なんかとても難しい感じがするかもしれませんが、これだけ魚が豊富で釣りやすい川も全国探してもまずないとおもいますので、興味がある方は、ぜひチャレンジしてみるといいですよ。問題は、たどり着ける脚力だけです。ただし、キャッチ&リリースは必ず守ってくださいね。ずっと、フライロッドを持って行っていたのですけど、昨年からよりシンプルにということで、テンカラ竿にしました。
僕の場合、持っていく毛鉤はアント(蟻)と、ビートル(コガネムシ)、アダムスのパラシュートと、イブニングライズ用のホワイトウルフの4種類だけ。これで、十分釣りになります。サイズは14-16番でOKです。恐らく、これだけの高山で、小屋で働きながらフライフィッシングを楽しめるのは、黒部源流域だけじゃないかな?これも、僕が黒部から離れられない大きな理由の一つです。
山小屋に持って行く物(遊び道具編)
山小屋で一夏過ごす場合、たまの休暇や休み時間に何をするかというのは、人様々なのですが最繁期に近づいてきて忙しくなってくると、疲れもたまってきて、結局、休み時間もお昼寝(笑)な、感じになっちゃうのですが、僕はせっかく山に来てるのに、寝て過ごすのはもったいないなあ~っと思ってしまうタイプで、そのために、時間の空いた時用に遊び道具をいくつか持っていっています。それはなにかというと・・・
*釣り道具
前述のように、黒部源流域は、格好の岩魚釣り場なので、フライロッドを持って行きます。フライの竿というのは、通常、持ち運びのために、2-3分割できるように作られているのですが、それでもそれなりの長さになります。薬師沢小屋のように、目の前が川ならそれでもいいのですが、川まで少し歩かないといけないような場合、サブザックに釣り道具一式と、お弁当を入れて、気軽に山道や沢を歩くのに、仕舞寸法の短くなるパックロッドやテンカラ竿が便利です。特にテンカラだと、持ち物はロッドとチペット(ハリス)、フロータント(ドライとジェル)、クリップ、フライボックスくらいでしょうか。ウエアは特に持っていかず、登山用タイツに短パン、足元は小屋においてある沢靴ですませてしまいます。昨年の装備はこんな感じです。
*カメラ
釣りや、登山にはいけない、ちょっとした休憩時間なんかは、もっぱらカメラをぶら下げて散歩をしています。もちろん、山も被写体ですけど、登山道脇の植物やら、よくよく観察すると、様々な被写体が見つかって、撮っていてとても楽しいです。だいたい一夏で5百枚位撮りためておいて、山から降りてから、じっくり整理。以前は山の写真のブログを運営してましたが、今はこちらにアップするくらいになってしまいました。ちょっと撮る写真の方向性も変わってしまったのかなあ。
レンズは何本も持っていくわけにもいかないので、広角ズームと、マクロレンズ、望遠ズームの3本が基本。人を撮るのが好きな人は、大きな一眼よりも、コンパクトなタイプで写りに定評があるものを常にポケットにいれておいたほうが、シャッターチャンスを逃さないでいいかと思います。そうそう、頻繁に散歩をしてれば、雷鳥に出会う可能性もアップ。とくに、霧がでているときは、警戒心が薄れるのか、よく登山道に出てきます。しかし、今まではずっと、デジタルの一眼レフを持って行っていたのですが、2013年の高天原では、ニコンのミラーレス機とレンズ二本だけを持っていきました。これだと、機材の重量が一キロ程度で済みます。前述の一眼一式だと3キロ以上になるので、これも重量が3分の一程度で済みます。。でも、画質重視の場合はやはり、一眼をもっていきますね。さらに2014年は、富士フィルムのミラーレス一眼に、撮影機材はこんな感じになってます。
*パソコン(iPad)
前は、ノートパソコン(パナソニックのレッツノートRシリーズ)を持って行っていたのですが、べつに本格的にパソコンで作業しようというわけではなく、お休みだけど、外は雨・・・なんっていう時に音楽を聞いたり、映画を見たり、本や漫画をみたり、日記や思いついた仕事上のアイディアなんかを書き留めたりという使い方です。なので、最近はノートパソコンの代わりにタブレット端末を持っていくようになり、重量もノートパソコンの3分の一以下と軽量化。タブレットは電池が10時間くらいもつので、あまり頻繁に充電をしなくて済むのがいいです。ケースごとジプロックに入れてザックの背中のパッド部分のポケットにいれて持って行ってます。ここだと、金属のフレームが守ってくれるので、変な応力もかからなくて安心です。
僕の場合はざっとこんな感じです。あと、だいたいどこの小屋にも大きめの本棚があって、バイトや、お客さんが読み終わって置いていった本が結構な冊数置いてあります。普段自分では読まないタイプの本も多く、のんびり読書三昧もまた楽しいものです。あと、変わったところでは、凧もってきて、凧上げしてるやつもいたっけな~。